2013年にアメリカで制作されたアップル社の創業者スティーブ・ジョブズの半生を描いた映画です。スティーブ・ジョブズについては、2015年にも同名の映画が制作されているようですが、私は観ていません。
スティーブ・ジョブズの業績についてはあまりにも有名で、間違いなく彼は世界を変えた人物といってよいでしょう。1977年にジョブズはアップル社を設立し、世界最初のパーソナル・コンピューターともいうべきアップルを製作・販売して成功します。しかし、まもなくコンピューター世界の巨人IBMがパーソナル・コンピューターに参入したため、これに対抗してMacintoshプロジェクトを開始します。1984年に発売されたMacintoshは好評でしたが、開発費が膨大で赤字に陥り、1985年にジョブズは事実上アップル社を解任されました。しかしその後もアップル社の業績不振は続いたため、1997年にジョブズはアップル社に復帰し、2000年にCEOに就任します。
映画は、2001年のアップル社のミーティングで、ジョブズが新製品iPodの発売を公表する場面から始まります。その場で彼は次のように述べました。「これはハートのためのツールである。一台の機械に千曲もの曲を入れ、ポケットに入れて持ち歩くことができるのだ。」次いでiPhone・iPadが開発され、アップル社の業務範囲は従来のパソコンからデジタル家電とメディア配信事業へと拡大していきます。しかし2003年に膵臓ガンでることが判明し、2011年に死亡します。56歳でした。
ジョブズは、コンピューター界の巨人であるIBMに強い対抗心をもっていましたが、マイクロソフトを創業したビル・ゲイツは、IBMと組んでWindowsを開発し、世界的なパソコン規格に発展させました。 私が初めてパソコンを購入した1995年は、ジョブスがアップルから離れていた時期で、マイクロソフトがWindows95を発表した年でした。当時の私はパソコンについて全く無知であり、MacintoshとWindowsの違いも分かりませんでしたが、仕事でパソコンを使う以上、ファイルの互換性を考慮せざるを得ず、Macintoshを選択する可能性はありませでした。これが、MacintoshがWindowsに敗北した理由の一つであろうと思います。
しかしジョブズは決して敗北しませんでした。彼はiPod・iPhone・iPadを開発することによって、世界を変えてしまったのです。ビル・ゲイツもIT界の巨人ですが、創造性と影響力においては、ジョブズにはるかに及ばないのではないかと思います。