2018年10月12日金曜日

詩(4)(麻実)


+++腕枕[短詩]卜++
眠るあなたの顔を見つめていたら
何時の間にか眠っていたの
抱き締められた感触さえも
気がつかないまま
そのまま眠っていたの

月明りに少しだけ光る
頬の産毛を見ていたと思ったのに
気がついたら朝日を身体全体に浴びて
あなたに抱かれていたの

幸せのカタチは人それぞれ
胸がキュンとする恋はもう終ったけれど
柔らかなじゅうたんみたいな優しさが
あなたの中から私に
真っ直ぐに届いているようで
頭の下のあなたの腕が
私を愛していると伝えてくれているようで。

ゆるゆると
ゆるゆると
流れる雲に身を任せ
キミを想えば目頭から雨

ゆるゆると
記憶の底を辿り付き
見つけたキミに答えはありき

ゆるゆると
言葉の糸を見つけ逝く
キミヨタレゾ?と笑うコホトギ

君のココロ
わざと遠くにあるものを
掴めないと笑う
小憎らしい口を訊いて
敵が増えたと笑う
諦めたと言うのなら
どうして物欲しそうにするの

タイムリミット
時計を見たくない
君の門限が過ぎてしまうから
一緒にいる時間を少しだけでも
伸ばしたいから

ローズカラー
何も残らない毎日
君の残す残り匂よりも薄い現実

冷たきもの
君と僕の間に
吹いた一陣の冷たきものは
君の気持ちと同じ温度だったのか
サヨナラと言い出せなくて
君が俯く
それがまた辛くて
僕は黙る

アナログ
君に逢いたくて
お小遣いの残りを数える
行き帰りの電車代、確保
一緒に飲むジュース代、確保

呼んで
泣きたくなるほど
あなたが好きだと
本当に気がついたのは
あなたが口ずさんだ
柔らかい私の名前。


(この写真と本文は関係ありません)

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