ジェフリー・ブレイニー著、1994年、加藤めぐみ・鎌田真弓訳 明石書店、2000年
本書はオーストリアの通史を扱ったもので、私もかつてオーストラリアに関する本を随分読みましたが、通史を読んだのは初めてです。本書の解説によれば、オーストラリアの通史は、本書を含めて2冊くらいしかないようです。なお映画については、「映画でオーストラリアを観て」(http://sekaisi-syoyou.blogspot.com/2014/10/blog-post_31.html)を参照して下さい。
私はずいぶん前に、本書の著者が著した「距離の暴虐」という本を以前読んだことがあります。この本は、オーストラリアを研究している友人から紹介されたもので、オーストラリアと本国との距離、オーストラリア大陸内部の距離、これがオーストリアに大きな影響を与えたことを論じています。確かに面白い本ではありましたが、私はあまり感銘を受けませんでした。なぜかというと、本書はイギリスからの移民の視点で書かれており、先住民(アボリジニー)の視点が欠けているように思われたからです。
今回読んだ「オーストラリア歴史物語」は、非常にバランスよく書かれた通史で、エピソードも豊富で、面白く読むことができましたが、それでも先住民の視点が欠けていることが不満です。
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