2014年にアメリカで制作された映画で、「旧約聖書」の「ノアの方舟」の物語を、新しい解釈で描いています。なお、「ノアの方舟」については、このブログの「映画で聖書を観る 天地創造」(http://sekaisi-syoyou.blogspot.jp/2014/04/blog-post_3082.html)を参照して下さい。
アダムとイヴが楽園を追放された後、カイン、アベル、セトという三人の子供が生まれますが、アベルはカインに殺されるため、カインとセトの系統がその後も続きます。そして映画の主人公であるノアは、セトの子孫です。映画では、洪水が起きるにあたって、聖書とは異なる話が二つ出てきます。一つは、カインの子孫のトバルカインが方舟を奪って自分だけ生き延びようとしますが、結局失敗します。その際、人間は神の意志で滅びるのか、それとも自分の意志で生き残るのか、ということが問題となります。もう一つは、ノアが人間として生き残るのはノアと家族だけで、これもやがて死に絶えて地上から人間がいなくなると、考えていたことです。ところがセトの妻に双子が生まれ、ノアは嬰児を殺そうとしますが、結局殺せず人類は生き残ることになりました。
こうした話は理解できなくはないのですが、もともと旧約聖書は矛盾だらけであり、それを無理に説明するのではなく、あるがままに受け入れた方がよいよいに思います。例えばアダムとイヴの息子カインとセトは多くの子孫を残しますが、彼らはだれと結婚したのでしょうか。また、洪水でノアと家族以外は全部死んだことになってしまうのに、子孫は増えていきます。さらに、ノアを含めて多くの人が900歳くらい生き、この計算ではアブラハムが登場したころには、まだノアは生きていたことになります。こうした問題は、基本的に信仰の問題であり、あまり理屈で説明しない方が良いと思います。
映像としては、CGを巧みな組み合わせ、中々見ごたえのある映像でした。
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