2020年7月7日火曜日

映画「シラノ・ド・ベルジュラック」を観て

1990年にフランスで制作された映画で、19世紀末にエドモン・ロスタンによって書かれた戯曲を映画化したものです。この戯曲は、舞台、ミュージカル、オペラ、映画などで上演されてきました。
シラノ・ド・ベルジュラックというのは17世紀半ばのフランスに実在した人物で、剣豪、哲学者、作家などとして知られている人物です。彼は非常に多才な人物だったようで、多くの伝承も伝わっているようです。ただ彼は自由奔放に生きた人だったため、多くの敵をつくり、敵の闇討ちにより重傷を受け、1655年に死亡しました。エドモン・ロスタンの戯曲は、このシラノ・ド・ベルジュラックという人物をベースに創作され、多くは創作だと思われます。
ドラマでは、シラノ・ド・ベルジュラックは鼻が大きく醜い(本人がそう思い込んでいる)ため、彼が愛する女性ロクサーヌに自分の心を打ち明けることができませんでした。一方、彼の友人クリスチャンはハンサムで、ロクサーヌの相思相愛の中になりますが、彼は彼女に贈るための美しい詩を書くことができず、シラノに書いてもらいます。シラノの書いた美しい詩を見て、ロクサーヌはますますクリスチャンを愛するようになりますが、クリスチャンは戦死してしまいます。その後ロクサーヌは修道院で暮らすようになりますが、シラノが死を迎えた時、美しい詩を書いたのがシラノであることを知り、自分が愛したのは実はシラノであることを知ります。
このストーリーは日本でも大変よく知られており、新国劇の故島田正吾が一人芝居の形で、2004年に98歳でなくなるまで演じ続けました。彼の弟子が、故緒形拳です。


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