2020年7月16日木曜日

「ドゴールを」を読んで

エリック・ルーセル著 2008年 山口俊明・山口俊宏訳 祥伝社 
 ドゴールはフランスの軍人・政治家で、第二次世界大戦中にロンドンに亡命政府を樹立してドイツと対抗し、ドイツ敗北後、ドゴールは救国の英雄としてフランスに凱旋します。戦後彼は第五共和制を樹立し、大統領として超大国米ソに媚びない外交政策を推進しました。ドゴールについて、私は伝記を読むのは初めてですが、いろいろな本で繰り返し読んでおり、本書に書かれている内容については、大筋ですでに知っている内容でした。それでも、本書はドゴールの活動を生き生きと描いており、大変面白く読むことができました。
 ところで、第二次世界大戦前頃から各地で独裁者が出現するようになりました。ドイツのヒトラー、ソ連のスターリン、イギリスのチャーチル、フランスのドゴールなどです。もちろんチャーチルやドゴールを独裁者と呼ぶことには異論があると思いますが、私には彼らに共通する側面が見られるように思うのです。彼らは、命令一つで何万人もの将兵を戦場に送り、死に追いやることができるのです。つまり彼らには共感する心が欠けているように思うのです。それを指導力と呼ぶなら、ヒトラーやスターリンの行動も卓越した指導力によるものと、言えるのではないでしょうか。
 少なくとも私には、そのような命令を下すことがではません。

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