2020年4月11日土曜日

映画「マチルダ 禁断の恋」を観て















2017年にロシアで制作された映画で、マチルダというバレリーナとロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世との恋を描き、絢爛たるロシアの宮廷と退廃が描き出されています。ロシアについては、「グローバル・ヒストリ 第27章 社会主義の挑戦」(https://sekaisi-syoyou.blogspot.com/2014/01/27.html)を参照して下さい。
 まだニコライが皇帝に即位する前、1892年から2年ほどニコライとマチルダは関係をもっていました。当時二人は二十歳代前半で、この恋がどのようなものであったのかは分かりませんが、映画ではマチルダは皇后になることを望み、ニコライも彼女を皇后にすることを望みますが、身分違いのため不可能で、結局ニコライはドイツの大公の娘にしてイギリスのヴィクトリア女王の孫アレクサンドラと結婚します。
 もともとニコライとアレクサンドラの結婚は既定路線であり、そこにマチルダが割り込む余地はありません。また、マチルダ自身もニコライ以外の多くの男性と関係をもっており、ニコライ結婚後は別の貴族と結婚しました。彼女はロシア革命も乗り切り、その後バレー学校を創設し、99歳まで生きました。一方、アレクサンドラは5人の子を産みますが、彼女は祖母ヴィクトリア女王から血友病の因子を受け継いでおり、唯一の男子が血友病を発病します。いずれにしてもロシア革命により家族全員が捕らえられ、1918年に処刑されました。

 戴冠式の日、記念品と食べ物が民衆に配布されますが、それをもらうために50万人もの群衆が殺到し、将棋倒しとなって数千人もの死傷者がでます。そして映画は、この事件を描写して終わります。結局、この映画は何をいいたいのかよく分かりませんでしたが、多分帝政末期の退廃を描いているのでしょう。

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