2020年8月9日日曜日

「ジョン万次郎」を読んで

中濱武彦 2018年 ロング新書
 著者は万次郎の直系の曽孫です。万次郎は土佐の長浜で生まれ育ったことから、帰国後長濱万次郎と改名し、その姓が著者の姓に受け継がれているわけです。
 万次郎の人生は、幸運だったのか、不運だったのかよく分かりません。1841年に14歳で猟師見習いとして初めて海に出、難破し、死の直前まで追い詰められます。しかし、間一髪アメリカの捕鯨船に救われ、以後万次郎は多くの善意の人に助けられ、高等教育までうけます。彼は、帰国すれば処刑の可能性がありましたが、1851年開国間近の日本に帰国します。そして薩摩の島津斉彬や土佐の山内容堂などの理解を得、さらに江戸に出て、多くの人々に影響を与えます。

 彼の人生は不運の連続でしたが、著者によれば、結局万次郎は決して諦めないという強い心をもって、不運を幸運に代えていったということです。



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