2019年8月24日土曜日

映画「ポンペイ」を観て

2014年にアメリカで制作された映画で、古代ローマ帝国時代の都市ポンペイが、ベスビオ火山の噴火で滅びたという史実に基づいた映画です。












ポンペイは、今日の南イタリアにあるナポリの近郊の古代都市で、港町として商業で栄えていましたが、79824日にベスビオ火山が噴火し、翌日巨大な火砕流が発生して、ポンペイは飲み込まれてしまいました。当時ポンペイの人口は1万人程度だったと推定され、火砕流が起きた段階でかなりの人々が脱出していましたが、それでも2千人程の人々が火砕流で死にました。噴火による町の消滅は、歴史上しばしばあり、例えば1902年に、西インド諸島のフランス領マルティニーク島で起きた噴火では、住民約28千人が一瞬にしてほぼ全滅しました。
 その後ポンペイでは町は再建されませんでしたが、その下に町が埋もれていることは知られていました。18世紀に、古典古代や考古学に対する関心が高まると、本格的な発掘が行われるようになりました。一瞬にして5メートルの深さに町全体を飲み込んだ火砕流が、当時の人々の生活をそのままの状態で保存し、ポンペイが人々の前にその姿を再び現すことになりました。美しい壁画が乾燥した火山灰に覆われてよく保存され、さらに古代ローマの街並みや人々の生活が再現されました。また同時に、母親が子供だけは助けようとして、子供を抱えてうずくまって死んでいる凄惨な場面も発見されました。

 映画では、セットと火砕流には相当お金がかかっているようですが、内容的にはありきたりでした。剣闘士の奴隷とポンペイに住む商人の娘との恋と二人の死が描かれていますが、このストーリーは別にポンペイでなくても成り立つ話です。要するにこの映画は、アメリカ人好みのパニック映画です。


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