2020年5月6日水曜日

映画「アンデルセン」を観て

















2001年にアメリカで制作された映画で、デンマークの童話作家アルデンセンの生涯を、彼の作品を織り交ぜながら、ファンタスティックに描いています。
 アンデルセンについて知らない人は少ないと思います。グーグルでアンデルセンを検索すると、アンデルセン本人よりも、アンデルセンという名のついた商店や公園などが沢山出ており、日本でもいかにアンデルセンという名が定着しているかが分かります。「親指姫」「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「雪の女王」「マッチ売りの少女」などは、日本でも広く知られた作品です。なお、彼と同じ時代のドイツのグリム兄弟は、文献学者であり言語学者で、ドイツの古い民話を集めたのが「グリム童話集」で、彼らは童話作家ではありません。
 アンデルセンは、1805年にデンマークで靴職人の子として生まれました。彼は想像力豊かな少年だったようですが、10代で両親をなくして十分な教育を受けられず、コペンハーゲンに出ますが、生活には困窮しました。この間彼はオペラ歌手やバレーを目指したりしますが、どれも挫折します。しかしその後の彼は、信じられない程幸運に恵まれます。デンマーク王などの助力で教育を受けさせてもらうことになり、大学卒業後はヨーロッパ各地を旅し、多くの作品を発表し、多くの著名人と知己を得ます。
 デンマークはかつて北欧の覇者でしたが、ナポレオン戦争後、ノルウェーやフィンランドなどを失い、アンデルセンが生きた時代には、デンマークは衰退に向かっていました。そうした中で、アンデルセンは人々に夢と希望を与えたのではないかと思います。

映画では、彼の人生は幸運そのもののように思われますが、彼にはよほど人々を惹きつける才能があったのでしょう。アンデルセンの実像について私は何も知りませんが、映画ではモーツァルトを描いた「アマデウス」のような無垢な人物として描かれており、途中で彼が創作した多くの童話が、アンデルセンの想像力からあふれ出るように描かれています。

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