2020年3月4日水曜日

「奥州藤原氏と平泉」を読んで


岡本公樹著 2014年 吉川弘文館
 5年ほど前に(ちょうど本書が出版されたころ)、このブログに「映画で奥州を観て」(https://sekaisi-syoyou.blogspot.com/2014/02/blog-post_1.html)を投稿しました。そこでは、アテルイに始まり、奥州藤原、伊達政宗、上杉の会津移封、保科正之に至るまで述べましたが、当時私は奥州についてはまったく無知でしたので、相当勉強しました。特に厄介だったのは奥州藤原氏で、さまざまな勢力が関連し、それを整理するのは大変でした。とりあえずこれで、奥州に関する私自身の整理は終わったのですが、今回本書を通して久しぶりに奥州に触れる機会を得、大変懐かしく読むことが出来ました。
 本書によれば、「近年の研究成果は、奥州藤原氏にまつわるさまざまな常識をくつがえそうとしている。初代清衡が「都市平泉」の作り手ではないこと、二代基衡が真の都市化を進めた中興の祖であること、源頼朝が平泉へ亡命していたかもしれないこと、そして奥州藤原氏が滅んだあとに平泉を守った女のこと」などだそうです。でもこうしたことは、私にはどうでもよいことです。
 本書は、カラフルな写真や地図が多く掲載されており、特に地図に関しては前回勉強したとき、地名の位置を確定するのに大変苦労しましたので、こうした地図の存在を知っていればよかったと思います。いずれにしても、一つの文明が生まれ消滅していく過程を学ぶことは、大変感動的なことです。

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