2019年12月7日土曜日

映画「プラハのモーツァルト」を視て

2017年のチェコ・イギリスによる合作映画で、タイトルの通りプラハでのモーツァルトを描いています。モーツァルトについては、このブログの「映画でヨーロッパの音楽家を見て アマデウス」(https://sekaisi-syoyou.blogspot.com/2016/03/blog-post_26.html)を参照して下さい。
音楽家は、従来職人として王侯貴族に雇われて仕事をするのですが、ベートーヴェンの頃にははっきりと音楽家は自立するようになります。そしてモーツァルトも、少しずつ自立して仕事をするようになりますが、生計を維持していくのは容易ではなく、観客を集められる人気のある作品を書く必要がありました。そこで1786年にモーツァルトは、フランスの劇作家ボーマルシェの「フィガロの結婚」をオペラ化してウィーンで上演しますが、貴族を痛烈に批判していたため不評でした。ところが、このオペラはボヘミア(チェコ)のプラハでは大変好評で、モーツァルトはプラハに招かれます。そしてこのプラハがこの映画の舞台となります。
 モーツァルトは、プラハの(マスカレード)仮面舞踏会で出会った歌手スザンナに恋をしますが、劇団のスポンサーである猟色家のサロカ男爵がスザンナに目を付け、彼女に結婚を強要します。こうしたことと並行して、モーツァルトは次回作「ドン・ジュアン」を作曲します。「ドン・ジュアン」については、映画「ドン・ジュアン」を観て(https://sekaisi-syoyou.blogspot.com/2018/10/blog-post_20.html)を参照して下さい。結局、サロカ男爵は激高してスザンナを絞め殺し、その後サロカ男爵の数々の悪行が露見して、男爵は絞首刑となります。スザンナと男爵との話が事実かどうかについては、私は知りませんが、こうした事件の間にオペラ「ドン・ジュアン」が作曲されるわけです。

 この映画の主題が、モーツァルトとスザンナとの恋にあるのか、「ドン・ジュアン」の制作にあるのか、私にはよくわかりませんでしたが、今もプラハに残る中世の街並みを、たっぷり味わうことのできる映画でした。

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