2020年1月15日水曜日

「古代エジプト 知られざる大英博物館」を読んで

 2012年にNHKスペシャルで放映れた大英博物館の古代エジプトに関する遺物を紹介したものです。大英博物館は、19世紀に設立されてから、世界中から歴史遺物を集め、保存し、研究しています。ヨーロッパの帝国主義のために、世界中にヨーロッパが進出していく中で、世界中で破壊され続けている歴史遺物を保護しようと、集めまくったわけです。世界の歴史遺産を守るために、すべてを大英博物館に保管すべきだとまでいったそうですが、イギリスは歴史遺物の破壊にもずいぶん加担していると思います。大英博物館には、世界史の至宝といえるような遺物が多数集められていますが、それは所有国の許可なく持ち出されたものが多く、各国から返還要求がきていますが、大英博物館は応じていません。大英博物館は、さながら盗人市場のようです。
 大英博物館における古代エジプトに関する所蔵品は15万点におよぶそうですが、その内展示されているのは35千点だそうで、それ以外のものはまだ整理中か、手つかずの状態にあると思われます。フランスのルーブル美術館やロシアのエルミタージュ美術館でも、手つかずのまま倉庫に放り込まれている美術品が多いと聞いています。

 本書は、パピルスの記録などから、庶民の生活を再現しています。彼らがどのような家に住み、子供にどのような教育を与え、さらにラブレターまで紹介されています。昔のハリウッド映画によく見られた、鞭打って働かされる奴隷の姿は、どこにも見られませんでした。

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