2019年9月14日土曜日

映画「トム・ソーヤー&ハックルベリー・フィン」を観て




















アメリカの作家マーク・トゥエインによる冒険小説「トム・ソーヤーの冒険」(1876)2014年にドイツで制作されました。マーク・トゥエインは1885年に、「トム・ソーヤーの冒険」の続編として「ハックルベリーの冒険」という小説を書いていますが、映画ではあくまで「トム・ソーヤーの冒険」が中心です。
 マーク・トゥエインは、1835年に生まれ、4歳の頃からミズーリ州の港町ハンニバルで暮らしました。彼の家は名門でしたが、父親が破産したため豊かではなく、1857年頃からミシシッピー川の水先人として働きました。当時ミシシッピー川はカリブ海側の河口の港町ニューオーリンズとアメリカ大陸の内陸部とを結ぶ大動脈として発展し、多くの蒸気船が往来し、ハンニバルはその中継点として栄えていました。南北戦争で彼は南軍側で従軍、戦後新聞記者となり、新聞で連載した旅行記が評判となり、小説を書くようになります。1873年に当時のアメリカの時代風潮を描いた「金ぴか時代」が出世作となり、1876年に「トム・ソーヤーの冒険」が、1885年に「ハックルベリー・フィンの冒険」などがベストセラーとなりました。この間に彼は、見境のない投資に失敗して破産したりするなど、浮き沈みの激しい人生を生き、1910年に死亡します。
 「トム・ソーヤーの冒険」は、マーク・トゥエインが知り尽くしているミシシッピー川のハンニバル近郊での冒険物語で、マーク・トゥエイン自身や彼の周囲の人々が実際に経験したことを、少し大げさに描いているのだそうです。映画では、トム・ソーヤーとハックルベリー・フィンが、川を筏で渡ったり、幽霊船を探検したり、洞窟を探検したりします。10歳前後の時代は、いろいろ冒険したい時期です。私も田舎育ちだったので、東谷山を探検したり、庄内川を筏で渡ってひどく叱られたことがあります。今から思えばぞっとするような危険な行為で、自分の子供には決して許さないでしょう。でも、少年時代は好奇心と冒険心に溢れた時代であり、友達と一緒なら何でもできてしまう時代でした。一方、「ハックルベリー・フィンの冒険」は、トム・ソーヤーの親友であるハックルベリー・フィンが黒人奴隷の脱走を助けるという話で、この小説には「トム・ソーヤーの冒険」とは異なり社会性があり、真のアメリカ文学の始まりとされています。

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