2015年に制作されたインドの映画で、200分を超す超大作で、さらに第2部が2017年に公開されています。インド映画については、以前にこのブログで以下の映画を紹介しましたが、それ以来久々にインド映画を観ました。
「インド映画「ムトゥ」を観て」(http://sekaisi-syoyou.blogspot.jp/2014/01/blog-post_10.html)
「インド映画「ボンベイ」を観て」(http://sekaisi-syoyou.blogspot.jp/2014/01/blog-post_31.html)
インドには多くの言語が存在し、それぞれの地方でそれぞれの言語の映画を制作する必要があり、この映画はテルグ語で制作されています。テルグ語というのはインドの先住民ドラヴィダ人系の言語で、今日インド東南部に多くの話者がいます。私が観たDVDには日本語吹き替え版がありましたが、テグル語の雰囲気に触れたいため、あえてテルグ語版を観ました。
物語の舞台は、古代インドの大国マヒシュマティ王国で、シヴァガミという女性が赤子を抱いて追っ手に追われ、自らの命をシヴァ神に捧げて、赤子を村人に委ねます。この赤子はシヴドゥと名付けられ、25年後には逞しい青年に成長していきます。当時、マヒシュマティ王国では暴君が悪政を欲しいままにしていました。色々あって、シヴドゥは王を倒すために町に乗り込み、ある人からバーフバリと呼ばれました。
そして話は50年前に遡り、バーフバリ伝説の形成について語られます。マヒシュマティ王国を建国したヴィクラマデーヴァ王とその妃が急死し、後には生まれたばかりの王子バーフバリが残されます。国務は王兄ビッジャラデーヴァの妃シヴァガミが代行することになり、やがてバーフバリか成長して王になりますが、王兄のビッジャラデーヴァは息子バラーラデーヴァを王にするため、バーフバリを殺害します。バーフバリの息子の命をも狙われたので、シヴァガミがその赤子を城から連れ出し、ここで最初の話に戻るわけで、後編はシヴドゥが王になる物語かと思います。
この映画は、インドの古典中の古典「マハーバーラタ」の影響を受けているとのことです。「マハーバーラタ」はバーラタ族の内部抗争を描いており、その分量は聖書の4倍に達するとのことです。この「マハーバーラタ」は1989年に映画化され、400分を超える大作で、テレビでも放映されたのですが、私は見逃してしまいました。
映画「バーフバリ」は、インドでは大好評だったようですが、私はあまり評価することができませんでした。映画の前半は、なんとなく「ムトゥ」のノリで、軽薄な感じがしました。「マハーバーラタ」はヒンドゥー教の聖典で、ヒンドゥー教に関するあらゆる知識の集大成とされていますが、「バーフバリ」にはシヴァ神が出てくる程度です。とはいえ、純粋の娯楽作品として観れば、この映画は十分楽しい映画でした。
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