ビル・メオライリー、マーティン・デュガート著 2012年、江口泰子訳、講談社、2013年
1963年11月22日にケネディは暗殺されました。著者によれば、1953年以前に生まれた、つまり当時10歳以上のアメリカ国民なら、ケネディ暗殺事件をどこで聞いたかはっきり覚えているとのことです。確かにそうでしょう。私でさえ覚えています。その後、ケネディと彼の暗殺については、数えきれない程書かれ、テレビで放送され、映画が作製されました。それらの中で私が読んだ本や観た映画はほんの一部ですが、ほとんどのことは語り尽くされており、今更新しい事実が出てくるとは思われません。
本書は、ケネディとオズワルドという二人の人物が、さまざまな過程を経ながら1963年11月22日にダラスで出会うまでを描いています。それは物語としては面白いのですが、当然とはいえ、新しいものは何もありませんでした。ケネディ暗殺に関する膨大な文書は封印され、長期間公表されなかったこともあって、多くの憶測が飛び交いました。これ程極秘にするというこしは、よほどの陰謀があったに違いない、あるいは人々に決して知られてはならない秘密があったに違いない、などなどです。
2017年に未公開資料の多くが公開されましたが、今のところとんでもない陰謀が発覚したというニュースを、私は聞いていません。また、なお一部の未公開資料があるそうですが、これらはプライバシーの関係で未公開にされているとのことですので、驚くべき事実が明るみになる可能性は、あまりなさそうです。
結局ケネディとオズワルドが偶然出会い、ケネディ暗殺という大事件が起き、ケネディと暗殺事件は伝説となった、ということなのかも知れません。
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