2018年10月11日木曜日

詩(3)(麻実)

「郡上日和」
捨てたのは
貴方との、靴
拾ったのは
心地よいカラコロ弾む、下駄音
響く
涼やかな水の息吹
貴方がいなくても…
貴方がいない方が、なんて
束の間の晴れ空に
願ってみた
  *********
「ボクの世界」
のんき、ね
と笑う
のんびりな町が そう呟いた。

しあわせな人、ね
と苦笑
せわしない現実が とがめる

ゆらゆら ビー玉をのぞいた
ひどく曖昧でシュールで とても個性的
そんな ポクの世界
キミにはわかるまい。

耐えきれず
壊した ガマンの山
できずに 涙
恐くて でも苦しくて
行き止まってしまうから…。

欲しい現実は
いつも 手に入れた瞬間に
歪んでしまうから

ボクの往復キップ
ねだってみたり手離してみたり

ころころ ころがる 坂道の音頭
ひどく曖昧でアンニュイで 不思議
ボクの世界

ダレか のぞいていってくれないかなぁ?


(この写真と本文は関係ありません)
「色々青々」
振り向かないで
これで終わり つぶやく いつも
最良のわがまま携えて
海岸沿いのドライブ
緩やかな眺め 色々青々
覗いたら…夏雲に揺らす風鈴
満ち潮の香 砂浜の海を踏んで ヒトコキュウ
あなた に
これからも
何も言えず
これからも
通り過ぎる時間
私は あなたの、です。
ごちそうなんて 本当はいらないのです。ただ、
あなたの内ポケットで 甘えていたいだけ
だけど、だけど、それも、束の間。
もうすっかり 夕焼け空 で。
足元をさらう波 いつのまにか
ボクだけ、置いてけぼり。
  *********
「しゃぼん味」
じゃぼん はじけたよな
ココロのどっかで すとん、と 音がした
壊れると知ってて 飛ばした しゃぼんだま
それでも 期待をいっぱい つめこんで
ボクの辺りを ふわり ふわり 飛ばした
気付かないことで 夢見てた
ボクの日常 キミの面影
忘れたいのに 染み付いた しゃぼんの香
しゃぼん 割れたよな
苦しみの現が ボクを見ていた

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